慢性骨髄性白血病とは、造血幹細胞ががん化する病気のことです。
造血幹細胞は、血液細胞のもとになる細胞です。
初期の段階では、ほとんど症状はありません。
しかし、症状がないからといって放っておくと確実に進行してしまいます。
慢性骨髄性白血病は、以前は治りにくい病気とされていました。
最近は慢性骨髄性白血病の発症に関係する遺伝子を標的とした治療が開発されているので、早期に発見し治療を開始すれば、症状のない状態を長期間にわたって保つことも可能です。
慢性骨髄性白血病の進行は、通常「慢性期」から「急性期」へと進行していきます。
治療をせずに放っておくと慢性期から数年で急性期に進行します。
慢性期から「移行期」という段階を経て急性期になることもあります。
慢性期・・・初期の段階で、血液細胞が過剰に作られるため、エネルギーをたくさん消費します。
そのため、「体重の減少」「微熱が続く」などの症状が起こることもあります。
特に症状がないこともあります。
急性期・・・造血幹細胞の成長が途中までしかされません。
骨髄で白血病細胞が増殖して、正常な血液細胞が減っていきます。
そのため、「貧血」「感染症」「出血」などが起こります。
そして、急性期にまで進行すると、極めて死亡率が高くなります。
Posted by banrai | 2008年6月10日 14:16 | パーマリンク
慢性骨髄性白血病は、慢性期のであれば健康な人をほとんど変わらないような生活をすることができます。
急性期になると急性白血病と同じような症状が現れてきます。
そして、急性白血病の治療では、抗がん剤の効果が見られるのに対して、慢性骨髄性白血病の急性期では、抗がん剤の効果があまり得られません。
慢性骨髄性白血病の急性期になると、治療が困難になるのが現状です。
そのため、慢性期から急性期に症状が進行しないように抑える必要があります。
慢性骨髄性白血病の慢性期の状態を保つことが治療の目的です。
慢性骨髄性白血病の治療をするにあたって、まず病気を慢性期のうちに発見することが大切です。
慢性期の特徴として、白血球の数が増加します。
健康診断などの血液検査でも白血球の数が増加しているか調べることはできます。
炎症や風邪などの感染症にかかっていないのに、白血球の数が増加している場合は、必ず再検査をして原因をつきとめることをおすすめします。
Posted by banrai | 2008年6月10日 14:16 | パーマリンク
慢性骨髄性白血病の治療として、以前は「造血幹細胞移植」という主に慢性期の状態を保つための治療が行われていました。
抗がん剤をたくさん使用して、放射線を全身に照射します。
そして、がんになっている造血幹細胞を死滅後、新しい造血幹細胞を体外から移植する治療です。
移植のため、副作用は強いので慢性期であまり症状がない人にとっては、造血幹細胞移植の選択は厳しかったです。
しかし、慢性骨髄性白血病が発症するしくみの解明が進み、「イマチニブ」という薬が開発されました。
このイマチニブを使用することで、従来よりも副作用が少なく、体に負担がかからない治療ができるようになりました。
イマチニブは、慢性骨髄性白血病の白血病細胞だけに効果がある薬です。
そのため、正常な細胞に悪影響が及ぶことがありません。
このような異常な細胞だけに狙いをつけて行う治療法を「分子標的療法」といいます。
この分子標的療法は、慢性骨髄性白血病だけでなく、さまざまな病気の治療法として行われています。
しかし、分子標的療法の効果が高く得られるのは、慢性骨髄性白血病に対するイマチニブです。
毎日、イマチニブを服用した場合、5年後の生存率はおよそ95%となっています。
慢性骨髄性白血病の白血病細胞には、正常な細胞にない異常構造の染色体「フィラデルフィア染色体」というものがあることがわかっています。
このフィラデルフィア染色体があると、異常なたんぱく「BCR―ABL融合たんぱく」がつくられます。
異常なたんぱく「BCR―ABL融合たんぱく」は、細胞が自然に死んでいくしくみを抑制したり、白血病細胞を増殖させたりしています。
イマチニブは、この異常たんぱくの働きを抑制し、造血幹細胞移植よりも副作用が少なく効果が高いです。
慢性骨髄性白血病の現在の治療では、最初から造血幹細胞移植を検討することはほとんどなくなり、イマチニブが最初に使われています。
Posted by banrai | 2008年6月10日 14:15 | パーマリンク
イマチニブも副作用はあります。
起こる症状で最も多いのは、「皮膚の発疹」です。
それ以外の副作用は、次のようなものです。
1.「目の周りのむくみ」や「ふくらはぎのむくみ」などです。
2.「吐き気」や「下痢」などです。
3.「肝臓の機能低下」や「腎臓の機能低下」などです。
4.「筋肉の痛み」などです。
副作用で「むくみ」が現れたときは、「利尿薬」を使用したりして軽減します。
「吐き気」が現れたときは、薬を食後に服用するなどの対処をします。
このようにイマチニブで副作用が現れたとしても、症状を軽くすることができます。
そのため、ほとんどの人は、イマチニブを使用した治療を継続していくことができます。
Posted by banrai | 2008年6月10日 14:14 | パーマリンク
イマチニブが開発されたことで、慢性骨髄性白血病の治療の効果は、大きく進歩しました。
イマチニブは、病気の進行を抑制する高い効果が期待できる薬です。
一般的には、慢性期である白血病の状態を保つためにイマチニブを服用します。
ですから、一定の期間イマチニブを服用したからといって、完全に白血病細胞を死滅させることはできません。
薬を使用して、検査のときに、白血病細胞が見つからない状態になることもあります。
しかし、完全に治ったということではありません。
白血病細胞が見つからないからといって、薬の服用をやめてしまうと、白血病細胞が増殖して再発することがあります。
また、薬の開始当初から効果が得られたとしても、薬を継続して使用しているうちに薬が効かなくなることもあります。
中には、薬を開始した当初から薬の効果が得られない人もいます。
そういう場合は、イマチニブの量を増やしたり、他の薬に替えたりして薬物療法を続けていきます。
それでも、薬の効果が得られない場合や、症状が悪化している場合は、薬物療法でなく「造血幹細胞移植」を検討することもあります。
Posted by banrai | 2008年6月10日 14:14 | パーマリンク